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物件を買った後に待っている現実──賃貸経営・管理の基本と落とし穴

1. はじめに:購入後の成否は「運用」にかかっている

物件を購入した瞬間、不動産投資は「ゴール」ではなく「スタート」に変わります。

どんなに優れた物件を買っても、どんなに良い立地でも、「運用=管理」を誤れば、収益は想定よりもあっけなく崩れていきます
逆に言えば、「買ったあと」に何をどう仕組み化できるかが、安定収益への分かれ道になります。

今回のテーマは、“不動産投資のリアル”に一歩踏み込んで、「賃貸経営・管理って、実際どんなことをするのか?」を丁寧にお伝えしていきます。


2. 賃貸経営とは何をすることか?

賃貸経営と聞くと、毎月家賃が入ってきて、あとは何もせずに収益が生まれる──
そんなイメージをお持ちかもしれません。

ですが、現実にはもう少し複雑です。
賃貸経営とは、ざっくり言えば以下の3点を“回し続ける”ことです。

  • 空室を出来るだけ出さず、相場に準じた賃料を安定して得続けること

  • 収入と支出のバランスを整えること

  • トラブルや修繕などに適切に対応すること

つまり、「収益を生む仕組みを、健全に維持し続けること」こそが賃貸経営の本質です。
自分で全部やる必要はありませんが、何が起きているか“把握しておく”ことは、オーナーとして非常に重要なことです。


3. 空室リスクの正体と、埋め方の工夫

収益を直撃する最大のリスク、それが「空室」です。

家賃収入がゼロになってしまう以上、1ヶ月の空室でも数万円~数十万円の損失になることもあります。

一方で、ランニングコストは空室であっても原則、支出としてかかり続けます。

 

空室の主な原因には以下があります:

  • 立地の需要とミスマッチ

  • 設備や間取りの老朽化

  • 賃料設定が相場と乖離している

  • 入居募集の戦略不足

よくあるのは、「空いたら管理会社が何とかしてくれるでしょ」という思考。
しかし、これは失敗しがちなマインドです。

実際には、広告料(AD)を工夫したり、初期費用を調整したり、写真や募集資料を整えるなどの工夫で、成約率が大きく変わるものですが、管理会社の提案を受け身的に待っていても、事態は改善しないものです。

“貸しやすい状態に整える努力”をオーナー自らが主体的に考えられるかどうかが、空室リスクを左右します。


4. 滞納・トラブル対応の基本

滞納は、発生してしまうと対応が長期化しやすく、精神的にも経営的にもストレスがかかります。

実際の対応フローは:

  1. 入居者へ連絡・催促

  2. 内容証明郵便での督促

  3. 契約解除 → 法的措置(強制退去など)

これに加えて、入居者間のトラブル(騒音、異臭、ゴミ出し)、孤独死やペット問題など、「想定外の出来事」にも向き合わなければなりません。

こうしたリスクを軽減するには:

  • 契約時の審査強化(保証会社の利用)

  • 管理会社のトラブル対応能力

  • 賃貸借契約書の適切な条文整備

  • 家賃保証・家財保険などの制度活用

などの“予防線”をしっかり張っておくことがカギになります。


5. 管理形態の選び方:自主管理 vs 管理委託

不動産を所有したら、すべての管理を自分でやらなければいけない──ということはありません。

大きく分けて以下の2つのスタイルがあります:

■ 自主管理

  • 家賃回収、クレーム対応、原状回復の発注などを自分で行う

  • 管理費がかからない反面、手間とストレスは大きい

  • 地元の物件や、少数戸数なら向いているケースも

■ 管理委託

  • 管理会社に業務を委託する(管理委託費は家賃の3〜5%程度)

  • 募集力、対応力、修繕提案などの“質”で収益が変わる

  • 管理会社の選定と関係構築が最も重要

オーナーとしては、「どの会社に、どの範囲を、どんな条件で任せるか」をしっかり見極める必要があります。
経験上、管理会社ひとつで収益性がガラリと変わることも少なくありません。


6. 長期保有における修繕と資産価値維持

物件は“放っておくと価値が下がる”資産です。
そのため、定期的なメンテナンスや計画修繕が欠かせません。

特に以下のような項目は要注意です:

  • 外壁の塗装・ひび割れ補修

  • 屋上防水のやり直し

  • 給排水設備の老朽化チェック

  • 共用部の照明・ポスト・インターホンなどの更新

また、築年数が経過した物件では、見た目の古さが空室リスクに直結するケースもあります。

「まだ壊れていないからいい」ではなく、“壊れる前に手を打つ”という予防保全の視点が、不動産の価値を守ります。


7. まとめ:現場を知らない“経営者”にならないために

賃貸経営は、確かに不動産という資産から収益を得る仕組みです。

ですが、それを「仕組み」として成立させ続けるには、“目配りと知識”が必要です。
任せるところは任せる。ただし、判断の軸はオーナー自身が持っている。

これが、プロの投資家や富裕層が意識している“管理の基本姿勢”です。

 

次回は、そうした収益を得る仕組みとしての不動産について、より具体的な数値として見極めるための「キャッシュフローの考え方」についてお伝えします。
とかく、表面利回りなどに目がいきがちですが、プロの投資家が運用の中で抑えているポイントとは?!

次回もぜひお楽しみください。

 

 

 

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