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【小泉進次郎発言】備蓄米も減価償却するの? ──実は“動物”も償却対象だった件

 

1. 「減価償却で米の価値が下がる」──進次郎発言が物議

先日、元環境大臣小泉進次郎氏の発言がSNSで話題になりました。

参考URL:小沢一郎氏「まずは勉強を」「大丈夫か」備蓄米に「減価償却」使用した小泉進次郎農相に苦言(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース


テーマは「3年前に備蓄された米を今さら消費するのはいかがなものか?」という趣旨だったのですが、注目を集めたのはその中の一言。

「3年経って減価償却されている米を、今食べることについて…」

──えっ?お米って減価償却するんでしたっけ?!

この減価償却という言葉の使い方に違和感を覚えた人は多く、SNSではすぐさまツッコミが続出。
「備蓄米は会計上“消耗品”では?」「いや、減損か棚卸資産じゃ?」と、プチ炎上状態に。

とはいえ、これをきっかけに減価償却ってそもそも何?」という素朴な疑問を持った人も多かったようです。


2. 減価償却って、そもそも何?

www.wealth-real-estate.com

減価償却とは簡単に言えば、“高額な資産の価値を、年ごとにちょっとずつ経費にしていく仕組み”です。

たとえば、1,000万円のアパートを買って、20年使うとした場合。
1年目に1,000万円を全部経費にするのではなく、20年間に分けて毎年50万円ずつ経費にしていきましょう──という考え方。

つまり、「買った瞬間に経費計上」ではなく、
「使う期間に応じてコツコツ経費にする」のが減価償却の特徴です。

不動産投資や企業会計に関わる人にとってはおなじみの概念ですが、
一般にはあまり馴染みがなく、たまに“使いどころを間違える”ことも…今回のように。


3. 実はこんなものまで!? 減価償却の“意外な対象”

ここからが本題です。
減価償却というと、「建物」「設備」「車」などの“モノ”が対象と思われがちですが、
実は、税法上はもっと広く──あっと驚くものまで対象に含まれています

たとえば……


🐄 家畜(乳牛・肉牛)

  • 畜産農家が飼育する牛や豚は、立派な「減価償却資産」

  • 乳牛の耐用年数は6年、肉用牛は4年と定められています

  • 「動物を設備扱い!?」と感じるかもしれませんが、あくまで事業用資産としての処理です


🏇 競走馬(サラブレッド)

  • 馬主が所有する競走馬も減価償却資産

  • 耐用年数は3~4年程度

  • 一頭数千万円するような馬の価値を、競走期間に応じて経費化していきます


🌳 果樹(リンゴ・ぶどう・みかんなど)

  • 果樹園で果実を生産するために植えられた木も減価償却の対象

  • リンゴは17年、ぶどうは14年、みかんは10年など、種類によって耐用年数が決まっています


こうした事例を見ると、減価償却という仕組みがいかに“資産=価値を生むもの”という考え方に立脚しているかがわかります。


4. 価値が減る? 減るから償却?──それ、ちょっと違います

誤解しがちなのは、「減価償却=価値が本当に下がること」ではない、という点。

たとえば、築30年の物件でも高値で売れることがありますし、
“価値が減ったように見せかけて節税できる”のが減価償却の妙味でもあります。

要するにこれは、「お金の世界で価値をどう分割して扱うか」という、あくまでも“制度上の計算ルール”なのです。


5. まとめ:「生き物まで経費にできる?」──会計の世界は奥が深い

政治家の発言がきっかけでちょっと話題になった減価償却ですが、
調べてみると意外な雑学が詰まったテーマでもあります。

  • お米は基本的に消耗品、減価償却ではない

  • でも、牛や馬は“経費になる”

  • 会計って、意外と奥深くて、おもしろい!

 

次回はまた、真面目なテーマに戻るかもしれませんが、
たまにはこんな軽めのコラムで「税金って案外おもしろい」と感じてもらえたら嬉しいです。


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